たかたろうの米国株投資

米国株投資や日頃の気づきなどのログ

初心者におすすめの米国株ETFとその組み合わせ

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米国株式投資のうち、初心者におすすめなのはやはりETF(上場投資信託)になります。

 

個別株投資で銘柄分散するには最低10種類以上必要と言われており、銘柄を買うタイミングや、セクター、バリュー、グロースなど様々な組み合わせを考慮してバランスのよいポートフォリオを自分で作り上げるのは、投資初心者には大変なことです。

どの銘柄を買えばよいのか、いつ買えばよいのか、どれぐらい買えばよいのか、いざ買おうと思っても迷ってしまいます。

一方、ETFは、銘柄が多数に分散されているため、個別企業の分析や選別をする手間を省略し、リスクを抑制することが可能です。それに個別銘柄ほどボラテリティが高くないため、高値掴みのリスクも抑えることができるため、投資初心者がETFに投資するのは理に適っています。

 

米国のETFは、NYSEアーカ(NYSE Arca)で、現在およそ2080本も上場しています。日本のネット証券会社ではそのうち250本ほどを購入することができます。リターン、資産規模、流動性(平均出来高)、経費率などの観点と、米国株、ETFのブロガーが保有・推奨していることが多いものからピックアップして一覧にまとめてみました。

 

本当は、株式だけでなく、債券やコモディティETFも記載しようかと思ったのですが、表が大きくなって読みにくいものになってしまったため、株式以外のETFは別の機会に整理してみようと思います。

 

NY証券取引所に上場する米国株式ETF(初心者におすすめ)

 

Ticker

名称

内容

分類

リターン

経費率

配当利回り

保有銘柄数

上位10銘柄比率

主な保有銘柄

標準偏差

シャープレシオ

純資産総額(億ドル)

VTI

バンガード・トータル・ストック・マーケットETF

全米株ブレンド時価総額加重平均)

コア

8.72%

0.04%

1.71%

3606

16.01%

Apple 2.9%

Microsoft 2.3%

Amazon 1.7%

Facebook 1.5%

J&J 1.3%

15.58%

0.59

946.5

VT

バンガード・トータル・ワールド・ストックETF

全世界株ブレンド

米国52%,日本8%,英国6%,新興国9%

コア

0.11%

2.11%

7801

8.45%

Apple 1.7%

Microsoft 1.2%

Amazon 0.9%

Facebook 0.7%

J&J 0.7%

108.9

SPY

SPDR S&P500 ETF

S&P500

コア

8.40%

0.09%

1.80%

505

19.94%

Apple 3.8%

Microsoft 2.8%

Amazon 2.0%

Facebook 1.8%

Berkshire Hathaway1.6%

15.04%

0.59

2740.2

VOO

バンガード・S&P500 ETF

S&P500

コア

8.46%

0.04%

1.78%

508

19.73%

Apple 3.9%

Microsoft 2.8%

Amazon 2.0%

Facebook 1.8%

J&J 1.6%

15.08%

0.59

865.7

IVV

iシェアーズ・コアS&P500 ETF

S&P500

コア

8.45%

0.04%

1.75%

505

19.99%

Apple 3.8%

Microsoft 2.9%

Amazon 2.0%

Facebook 1.9%

Berkshire Hathaway1.6%

15.05%

0.59

1464.4

SDY

SPDR S&P 米国高配当株式 ETF

高配当株

配当

10.09%

0.35%

3.21%

106

17.80%

Tanger Factory 2.2%

AT&T 2.2%

National Retail 1.8%

Realty Income 1.8%

Target 1.7%

15.10%

0.69

165.4

VYM

バンガード・米国高配当株式

高配当株

配当

8.60%

0.08%

2.81%

399

30.68%

Microsoft 6.2%

J&J 3.7%

JPMorgan 3.6%

Exxon Mobil 3.5%

Wells Fargo 2.5%

14.62%

0.62

216.7

HDV

iシェアーズ・コア米国高配当株 ETF

高配当株

配当

0.08%

3.28%

74

56.83%

Exxon Mobil 9.1%

AT&T 8.4%

Verizon 6.6%

Chevron 5.8%

Pfizer 5.2%

67.7

VIG

バンガード 米国増配株式ETF

10年以上連続して増配実績のある株

配当

8.54%

0.08%

1.88%

179

31.84%

Microsoft 4.7%

J&J 4.0%

PepsiCo 3.7%

3M 3.7%

Medtronic 2.9%

13.13%

0.67

280.9

XLV

ヘルスケア・セレクト・セクター SPDR ファンド

ヘルスケア・セクターのみ。VHTよりも少数精鋭。

セクター

10.84%

0.14%

1.47%

61

51.44%

J&J 11.6%

UnitedHealth 6.8%

Pfizer 6.7%

AbbVie 4.9%

Merck 4.7%

13.81%

0.79

174.8

VHT

バンガード 米国ヘルスケア セクター ETF

ヘルスケア・セクターのみ。XLVより中小型株に広く分散。

セクター

11.51%

0.10%

1.31%

372

44.72%

J&J 10.1%

UnitedHealth 5.9%

Pfizer 5.8%

AbbVie 4.1%

Merck 4.0%

14.36%

0.81

73.5

XLP

生活必需品セレクト・セクター SPDRファンド

生活必需品セクターのみ。VDCよりも少数精鋭。

セクター

9.98%

0.14%

2.62%

34

67.72%

P&G 12.3%

Coca-Cola 9.4%

PepsiCo 9.0%

PM 8.6%

Wal-Mart 7.8%

11.37%

0.86

82.2

VDC

バンガード 米国生活必需品セクター ETF

生活必需品セクターのみ。XLPよりも中小型株に広く分散。

セクター

10.11%

0.10%

2.52%

103

61.20%

P&G 11.0%

Coca-Cola 8.8%

PepsiCo 7.8%

PM 7.5%

Wal-Mart 6.8%

11.46%

0.87

39.9

QQQ

パワーシェアーズQQQ信託シリーズ1

NASDAQ上場の非金融大型株100種。ITセクター比率60%FAANG銘柄を含む。

セクター

12.81%

0.20%

0.84%

104

53.30%

Apple 11.7%

Microsoft 8.9%

Amazon 7.8%

Facebook 5.8%

Alphabet C 5.0%

17.88%

0.75

604.6

VGT

バンガード 米国情報技術セクター ETF

ITセクターのみ。FAANG銘柄のうち、Amazonは小売セクターのため含まれず。

セクター

11.70%

0.10%

0.99%

369

54.40%

Apple 14.0%

Microsoft 9.7%

Facebook 6.6%

Alphabet C 5.0%

Alphabet A 4.8%

18.46%

0.68

180.9

 

  

表の見方・使い方

 

分類:コア、配当、セクターの3種類で大まかに区別しました。ETFポートフォリオを構築する際、コアから1-2本、配当から0-1本、セクターから1-3本をトッピングして、それらの組み合わせで構築するとよいかと思います。

コアのうち、S&P500種インデックスに連動するSPY, VOO, IVVについては基本的にどれを選択しても同じですが、配当利回りと経費率が若干異なります。ちなみに私は、VOO派です。

配当狙いのETFは、他のコア、セクター系ETFよりもリターンが劣る傾向があります。

20代、30代の若年層の方は、配当系のETFは組み入れずに、コア、セクター系だけに絞ってもよいかもしれません。40代以降の方であれば、配当系のETFはぜひとも組み入れておきたいものです。

セクター系は、ヘルスケア、生活必需品、ITのそれぞれのセクターから2つづつ候補を出しました。それぞれのセクターから1つづつ選ぶもよし、生活必需品セクターだけ選ぶもよしです。いずれのセクターもS&P500種のパフォーマンスを過去に上回ってきた実績があります。よって、これからも上回る可能性が高いということで含めています。

 

コア系のETFの上位にITセクターが既に含まれていることから、私個人の考えとしてはヘルスケアと生活必需品のセクターを選択し、ITセクターは、選択しないか、やや少なめにするのがよいと考えます。

 

もちろん、投資スタイルやライフプランは一人一人異なります。自分にしっくりくるものを選びましょう。

 

リターン:過去10年の年リターンの平均値。目安として年7%で10年複利運用すると元金が2倍になります。年11%であれば同3倍になります。なお、ETFの設定日が10年を経過していないものは、表記を省略しております。

 

保有銘柄数ETFが信託財産として実際に保有する個別株の銘柄数です。いずれのETFも十分に銘柄の分散ができています。

 

上位10銘柄比率:構成銘柄のうち、上位10位までの銘柄の全体資産に占める割合です。この比率が大きいほど、一部の銘柄の占める比重に偏りがあることを示します。

参考までに上位5位までの銘柄を記載しました。

 

シャープレシオ:過去10年の期間での算出になります。リスク(標準偏差)と(安全資産を上回る)リターンの比で計算され、数値が大きいほど、低いリスクでより高いリターンを得たことになります。リターンが同じであれば、シャープレシオの大きいものを選びましょう。

 

www.toushinogakko.com

 

実際にポートフォリオを組んでみると?

以前紹介した、ETFreplay(https://www.etfreplay.com)で、実際にいくつかのETFを組み合わせたときの評価をしてみました。

無料で5本までのETFをを自由に組み合わせてポートフォリオを作ることができます。それらの比率、リターンを確認したい期間を指定して「Test Strategy」をクリックすると、ベンチマークとの比較、トータルリターン、ボラティリティが表示されます。

また、年平均成長率および最大下落率も把握できますので、自分の期待するリターンと、許容するリスクを考えながら、ETFを組み替えたり比率を変えたりして、何度でもシミュレートすることができます。試行錯誤しながら、納得できるポートフォリオを見つけてみてはいかがでしょうか。

 

ベンチマークとしてS&P500インデックス連動のSPYを指定しました。

4パターンほど、ベンチマークを上回るETFポートフォリオを組んでみましたので参考にしてください。

期間はすべて2008/1/2-2018/1/9。サブプライム・ショックを含みます。なお、この期間で組成されていないETFは、今回のサンプルの選択候補からは除外しています。

 

1)VTI 30%  + SDY 20% + XLV 20% + XLP 20% + BND 10%

コア系1種+配当系1種+セクター系2種(ヘルスケア、生活必需品)+債券系のETFを組み合わせたバランス型です。トータルリターンは151%とベンチマークを上回っており、ボラティリティは逆に下回っています。最大下落幅も-38%とベンチマークの-51%と比べて安定しています。

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2)VTI 40%  + SDY 20% + XLV 20% + XLP 20%

コア系1種+配当系1種+セクター系2種(ヘルスケア、生活必需品)のオール株式ETFによるポートフォリオ。こちらもバランス型です。トータルリターンは161%、年成長率は10%を超えてさきほどよりもリターンには優れています。その分、ボラティリティが大きくなり。最大下落幅も-43%となりました。

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3)VTI 30%  + XLV 20% + XLP 20% + QQQ 20% + BND 10%

コア系1種+セクター系3種(ヘルスケア、生活必需品、IT)+債券のバランス型。トータルリターンは168%、こちらも年成長率は10%を超えています。一方、債券ETFを入れることでボラティリティが15%程度に収まり、最大下落幅も-38%となりました。

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 4)VTI 50%  + QQQ 50%

コア系1種+セクター系1種(IT)。トータルリターンは197%(元金がおよそ10年で3倍)、年成長率は11%を超えました。しかし、ボラティリティ、最大下落幅は、ベンチマークのS&P500種インデックスと同じです。ハイリスク、ハイリターンではありますが、ベンチマークと同じリスクでより大きいリターンが得られるのであれば検討に値します。

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いかがでしょうか。このように、主要なETFをいくつか組み合わせるだけで、S&P500種のベンチマークを上回るETFポートフォリオが作れてしまいます。

 

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。

 オットー・フォン・ビスマルク

 

投資の世界において、過去の成功はあくまで過去のものであり、未来を約束するものではないとよく言われます。しかし、一方で、歴史は繰り返すということも知られています。

 

みなさんなら、どんなポートフォリオを構築しますか?

 

 

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