積立商品の利回りを自分で計算する方法
前回、自分で貯蓄型保険(個人年金保険)の見直しをしたときに、さりげなく運用利回りを記載しました。
しかし、実際は少し計算するのに確認も含めて手間取りましたので、自分の備忘録がてら記事にして残しておこうと思います。
通常、自分で計算する場合は表計算ソフトを利用するのが一番です。
私は、WindowsとMacとLinuxのPCを個人で所有していますが、普段利用しているのはもっぱらMacのみです。
しかし・・・
MacもNumbersという表計算ソフトがインストールされていますが、仕事でExcelに慣れまくってしまっている自分からすると、やはり
「クセがすごいんじゃ、クセが!」
ということで、どうしても本格的にExcelを自宅利用するときはWindowsを利用しますが、ライトに少し計算をしたい場合は、MicrosoftのOffice Onlineを利用させていただいております。
すでにご存知の方もいらっしゃるとは思いますが、知らない方のために簡単に説明しますと、WebブラウザでOffice製品のアプリケーション(Word,Excel,PowerPointなど)を無料で利用できるものです。
何がすごいかというと、
- 無料
- インストール版と比較しても、十分に実用に耐えうる機能性
- 何と言っても、使い慣れたUIをそのまま実現している
といったところでしょうか。
さすがに、細かいレイアウト調整や、VBAマクロなどプロニーズを満たすような機能は搭載されていませんが、ちょっとした文書作成や計算であれば、無料でこれだけの完成度だったら十分だと思われます。
オンラインでファイルの共同作業 - Office Online
本題に戻ります。
Excelで、利回りを計算する式はいくつかありますが、今回のように毎月(毎年)積立をするケースで、開始時の元金、満期時の金額、そして積立期間(年数)が分かっている場合は、RATE関数を利用します。
RATE(期間, 定期支払額, 現在価値, [将来価値], [支払期日], [推定値])
おそらく初心者の方は、上記の公式サイトのRATE関数の説明を見ても、すぐに理解することは難しいかもしれません。これは決して、利用される方のせいではなく、Officeがあくまで様々な用途に利用できるように、汎用的・抽象的表現を用いようとしているため、かえって分かりにくい内容になってしまっているのです。
では、積立商品の利回りを知りたいという前提で、上記関数をどのように用いればよいかを説明します。以下の計算式で、RATE関数を利用します。
運用利回り(%) = RATE(運用年数, -1 * 年間積立額, 積立開始時点の残高, 最終的な受取金額)
ポイントは、定期支払額にあたる箇所。マイナスの値となるように、わざと -1 を年間積立額に掛け合わせています。これは、関数の仕様ですので、なぜ?と深く考えずにマイナスにしないと正しく計算できないんだな程度にお考えください。
以前の記事で、私が解約した個人年金保険の利回りも、上記の関数を利用して求めたものです。
計算例1)個人年金保険(節税分の考慮なし)
運用期間: 23年、年間積立額:115,272円、当初積立額:0円
満期受取額:300万円
運用利回り = RATE ( 23, -1 * 115,272, 0, 3,000,000) = 1.11%
計算例2)個人年金保険(節税分の考慮あり)
運用期間: 23年、年間積立額:115,272円、当初積立額:0円
満期受取額:300万円、節税額:310,500円、
運用利回り = RATE ( 23, -1 * 115,272, 0, 3,000,000 + 310,500) = 1.96%
投資商品は、大抵の場合は運用利回りが提示され、客観的な判断基準として活用できます。しかし保険については、この利回りを公表していないことがほとんどで、自分自身で計算するということがとても大切になってきます。
保険会社の貯蓄性保険の利回りを計算すると、それがどれだけ低いかを数字として実感し、軽く絶望することができます。
外食が高くつくのと同じで、外部に自分の資産運用をお願いしている訳ですから、その分の手間賃をとられるのは当たり前なんだと考えれば納得できます。
自分で計算してみる、そして判断し納得する(納得しない)。意外とやってみると楽しいものです。