バンガード VGT 米国の情報技術セクターETF 近未来をデザインする企業への投資
バンガードVGTは、米国の株式市場のうち、情報技術(IT)セクターに特化した分散投資をしたい投資家向けのETFとなっています。
米国の情報技術セクターに属する企業は、AI、IoT、自動運転、FinTechなど今後の私たちが未来に触れるサービスやビジネスモデルを形作る一番の担い手です。今までできなかったことや想像すらしていなかったことを生み出して社会に変革をもたらします。
サマリー
- ティッカー・シンボル:VGT
- 名称:バンガード・米国情報技術セクターETF
- 上場取引所:NYSE Arca
- ベンチマーク:MSCI USインベスタブル・マーケット・情報技術25/50インデックス
- 国:米国
- カテゴリー:情報技術
- 保有銘柄数:359
- 経費率:0.10%(年率、税抜)
- 配当利回り:0.98%
- 純資産総額:165.5億ドル
- 価格:164.80ドル
- Alpha:8.95 (3年) 7.04(10年)
- Beta:1.16 (3年) 0.98(10年)
- シャープレシオ:1.24(3年) 0.62(10年)
(2017/11/10現在)
資産配分
資産配分のほとんどは米国株式で占めています。
保有資産
主な保有資産は以下のようになっています。
上位4社
Apple 13.7%
Google 10.05%
Microsoft 9.32%
Facebook 6.89%
ここだけで40%を占めています。
そのあと
Visa、Intel、Cisco Systems 、Oracle、Mastercard、IBMが続きます。
ここまでの9社でおよそ56%の構成です。
ある程度時価総額の大きい銘柄に集中していることがわかります。
注意すべき点としては、AmazonがこのETFには含まれていません。Amazonは一般消費財セクターに分類されているためです。営業利益の7割以上を稼ぐAWS(Amazon Web Service)を保有しているのですから、もはや技術情報セクターに含めてもよさそうですが。
一覧上、参考までにPERも記載しておきました。一部銘柄についてはかなりPERが高くなっているため、通常であればとても個別株投資をできません。そのような銘柄にも間接的に投資できるところがETFのメリットだと考えます。
PERはGoogle Financeを利用しました。直近1年間ベースでのPERです。
補足)Alphabet A, Alpabet CはGoogleの親会社で、Aは議決権あり、Cは議決権なしの株式で値動きは基本的に同じです。つまり合算してGoogleの保有比率となります。
円の大きさは保有比率に比例しています。円が上にあるほど年初来トータルリターンが優れていた銘柄です。
右上のMicron Technoloyは、世界有数のフラッシュメモリーメーカーであり、IoTでMicrosoftと提携、ここ最近のメモリー需要逼迫を受けて価格決定の主導を握るなどかなり注目度の高い企業です。今後、コンピュータのストレージがHDDからSDDに切り替わる過渡期ですので、息の長い需要が今後もあると推測します。何がすごいって、これだけの値上がり(年初からトータルリターン100%なので、株価2倍)にもかかわらず、現時点のPERがまだ10倍です。まだまだ伸び代がありそうです。
エッジの効いた投資家であれば、ここに1点張りするのもありかもしれません。
あと、相対的な時価評価額が小さいため、保有銘柄の上位にはいませんが、私の応援したい企業がこのセクターに複数入っています。それについては、別の機会に取り上げたいと思います。
ベンチマークとの比較
他のETF、およびベンチマーク(S&P500)との比較がこちらです。
2004年を基準とした場合の比較です。
注意)Google Financeのチャートは配当分、およびその配当再投資の考慮ができないようです。キャピタルゲインのみの比較としてご確認ください。
青:VGT:バンガード 米国情報技術セクターETF +235.78%
赤:VHT:バンガード 米国ヘルスケア・セクターETF +201.87%
黄:VTI:バンガード 米国トータル・ストックマーケットETF +142.65%
緑:SPY:SPDR S&P500 ETF +127.43% (ベンチマーク)
いずれも右肩上がりですばらしいリターンです。
セクター投資のVHTとVGTは、特にS&P500ベンチマークを上回っています。
VGTだけでいくのもよし、VHTとの混合でもよいかもしれません。
上記チャートを見てみると、たしかに暴落時の谷が深いのですが、その分回復が早く山が高いのが見て取れます。
結局暴落時は、みんな下がるし、その後はみんな回復していきます。
暴落時に耐えることができれば、VGTは多くの実りを投資家たちにもたらしてくれることでしょう。
さいごに
いかがでしょうか。情報技術セクターの企業の多くは、世界屈指の技術やビジネスモデル、商品を保有しており、そのセクター全体を投資することができるこのETFは、とても魅力的だと考えます。
私は、まだ保有数、保有開始時期も日が浅く、今後ポートフォリオの構成を見直すなかで段階的に比率を高めようとしています。
山高く谷深い動きをすることを十分に理解したうえで、長期保有対象のETFとして検討してみてはいかがでしょうか。