たかたろうの米国株投資

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フラッシュメモリー半導体メーカー マイクロン・テクノロジーへ投資

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モリー半導体メーカーのマイクロン・テクノロジー(MU)へ120株投資しました。

 

 

経緯

高配当連続増配銘柄であるAT&T保有ウェイトが、ポートフォリオ全体に対してアンバランスになっていたこと、トータル・リターン(配当とキャピタル・ゲイン)の観点からの投資先見直しによるものです。120株程度を放出し、以前から気になっていたマイクロン・テクノロジー株を購入しました。

  

どんな会社?

世界屈指のフラッシュメモリ半導体メーカーです。

フラッシュメモリーは、USBメモリー、スマートフォン、パソコンのSSDなどその利用範囲が年々拡大しており、昨今のビッグデータ、IoT、自動運転技術などクラウドや組み込みデバイスなどの領域での需要も高まり、活況な半導体業界の中でも特にホットなセクターです。

マイクロン・テクノロジーはそんなフラッシュメモリー業界での中堅どころのメーカーです。日本のエルピーダメモリを2013年に買収し、半導体の巨人Intelとタッグを組んで、メモリー半導体のトップシェアを握るサムスン電子を追いかけています。

フラッシュメモリーといえば、東芝が売却する半導体モリー子会社の争奪戦が、ついこないだまで盛んにニュースで取り上げられていました。それほどまでに、今後の成長が見込まれる市場だということです。

 

近年、記憶容量をあげるための半導体の微細化・高集積化技術のイノベーションにより、プレーナ型(平面)から3次元型(3D)のNANDメモリーが実用化され、大容量、低価格でのメモリー供給への期待が高まっています。

しかし、現実は3D-NANDメモリーの大量生産はそれほど容易ではなく、またデジタルデータが一気に拡大している中での需要とのミスマッチが続いていることから、メモリー価格の高騰につながっているのです。

 

 

業績と市況、今後の見通し

 

株価:$49.14

Beta:2.14

PER:11.14 

EPS:4.41

 

直近の2017-FQ4の決算を見ると

売上高:OK

営業利益:OK

利益:OK

ガイダンス:強気

 

 

 半導体市況全体が好況な状況なのですが、その中でも特に活気があるのがフラッシュメモリーです。スマートフォン、パソコンだけではなく、近年はクラウドのデーターセンター向けの需要も急速に高まっています。

 

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半導体メーカーは、厳しい価格競争、半導体の微細化、集積化のための継続的な研究開発、多額の設備投資が必要であり、さらに市況の好不況の循環にその売上が大きく左右されます。どちらかというと消費者や大手バイヤーに振り回される側の立場でした。

 

しかし、昨年後半から供給が追いつかないほどの需要があり、メモリー価格の高騰につながっています。メーカー側が価格決定できる立場になったことで、マイクロン・テクノロジーの粗利率は直近の2017年第4四半期で50.7%と、前年同期の18.0%から、実に32%以上も改善されています。

売上も前年同期と比較して2倍近くの伸びを示しており、2018年も強気の姿勢を崩していません。

 

NAND型フラッシュメモリーのシェアの推移です。

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サムスン電子がトップシェアを握っており、不動のトップの座を守り続けています。

2位以下は東芝SanDisk(親会社は、東芝と業務提携していたウェスタン・デジタル社)、マイクロン・テクノロジー、SKハイニックス、インテルと続きます。

このうち、インテルマイクロン・テクノロジーは3D-NANDフラッシュメモリーについての業務提携しています。

 


 

こちらのチャートは、企業向けのHDD、SSDそれぞれの売上高推移です。3D-NANDフラッシュメモリーの登場により大容量化、ビット単位の低コスト化が進んだため、クラウドやオンプレミスのサーバにもSSDを採用する動きが活発になっています。

 

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HDDが唯一価格面でSSDよりも優れていましたが、そのメリットも今後数年先には失われるものと思われます。今はちょうどSSDへの過渡期であり、2017年には企業向けの売上が逆転するとみられます。

 

テクニカルと分析 

週足チャート

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2016年の決算は純利益がマイナスとなり、それが嫌気でかなり売り込まれました。それでも健在は2014年に付けた高値を超え、新高値を更新してきています。

かなりの高値圏であり、通常であれば今から手を出すべきではないように見えます。

私が投資を再開した2017年9月頃は、ちょうど前回の高値を抜くかどうかの頃でした。

 

 

これだけ株価が値上がりしていたら、さぞかし割高なんだろうと思い、私が利用しているSimply Wall Stでマイクロン・テクノロジーの銘柄分析をしてみました。

simplywall.st

 

結果は以下のとおり。

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 割安とまではもちろんいきませんが、適正価格よりもまだ低い状態。

 

注目すべきは、PEGレシオです。株価収益率(PER)を1株当たりの利益成長率で割ったもので、1倍から2倍までは妥当、1倍以下は割安、2倍以上は割高と見ることができます。

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 ここ最近の米国市場において、1倍を下回る銘柄はほぼ見かけませんので、現状の利益水準であれば割安といえます。

 

 

買いなのか?

正直なところ、絶好の買い場というには時期を逸しています。値段が上がりすぎ、かつ注目を集め過ぎているというのが正直な私の感想です。ですが、まだプレミア価格にまではなっていません。どこかで調整を入れつつ、しっかり値固めをしながらゆっくりと上がってほしいのですが、なかなか調整らしい調整はこないかもしれません。

 

半導体企業はシクリカル(景気循環)銘柄であるため、マイクロン・テクノロジーは元々のPERは低くなっています。こうした企業への投資は通常、不況の真っ只中、誰がこんなクソ株買うのかというときに、投資をするのが一番ベストなタイミングです。

 

そんな銘柄に、今回私が投資した理由はただ一つ。

フラッシュメモリー市況は、まだまだ息の長い大相場になりそうな予感がするからです。もちろん、途中で何かしらの調整があるかもしれませんが、そのときは買い増しのチャンスだと捉えています。

 

今後、もしマイクロンへの投資を見直すとしたら、それは価格が暴落したときではなく、技術革新などで、当初想定していた市場規模の拡大、シェアやメモリー価格の高止まりなどの前提条件に変化が訪れた場合になるでしょう。